COLUMN
疾患
子犬・子猫の低血糖に注意!
2024.11.16
今日はお迎えしたばかりの子犬・子猫で重篤な症状を引き起こす低血糖についてお話しします。特に子犬さんでよく遭遇します。
低血糖とは
血糖値が60mg/dL以下となる状態です。
多くの場合、血糖値が40~50mg/dLを切ると臨床症状が現れ、嘔吐・下痢・行動の異常が見られます。意識障害・けいれん・ふらつきなどが見られた場合中枢神経系も障害を受けている可能性があります。血圧が落ちて歯茎が白く、体温が下がっている子もいます。
どうして低血糖が起きるの?
幼若動物や衰弱動物の低血糖の原因としては
・食餌から糖質を接種できていない
・糖の元であるグリコーゲンが元々体内に少ない
などがあります。
食欲がない子や嘔吐・下痢を起こしている子で低血糖が起きやすいです。
低血糖になったら
まず、先述した“充分に栄養が取れていない” “嘔吐・下痢がある”など低血糖になる原因があればすぐにガムシロップやはちみつ、砂糖水を口から与えてください。意識がなく呑み込めない場合は無理に口の中に入れると誤嚥してしまう危険があるので、歯茎を湿らせるようにぽたぽたと与え粘膜から吸収させましょう。
その後すぐに、動物病院を受診しましょう。自分で血糖値を維持できない場合は血管から持続的に投与したり、鼻から食道・胃まで管を入れ直接食事を与えたりすることがあります。
最後に
低血糖はキシリトールガムの誤食、門脈体循環シャント、肝不全や腫瘍などでも引き起こされます。
脳はたくさん糖を消費する器官で、低血糖が続くと重度な脳障害に繋がります。
ふらつきや痙攣は低血糖以外の病気でも引き起こされます。
基礎疾患が無いか、脳障害を引き起こすリスクは無いかチェックするために低血糖の様な症状が認められたら受診してくださいね。
獣医師 平林