BONHEUR ANIMAL HOSPITAL

ご予約

総合診療科

2025.07.01

変形性関節症という言葉を聞いたことはありますでしょうか。

変形性関節症は人では「関節の軟骨がすり減り、関節が変形していく病気」と言われています。

症状としては関節の痛みや腫れ、可動域の制限が生じます。主な原因は加齢や肥満、外傷です。
実は動物でも同様にこの変形性関節症(OA)があり、慢性的な痛みや動作に困難が生じる関節疾患です。
高齢動物の慢性疼痛の中で、最も患者数の多い疾患の一つで、その有病率は40%ほどという報告もあります。
また高齢動物だけでなく、若い大型犬や肥満傾向の犬も発症するリスクがあります。
これはいわゆる急性痛ではなく慢性痛なので、我慢できるレベルの痛みであったり、老化現象の一つのようにも見えるので、発見されないケースも多々あります。
人と違い、違和感や痛みはしゃべってくれないので気づいてあげる必要があります。

治療としては、痛み止め(特にNSAIDsと言われるもの)やサプリメントを使用して、運動を促し、筋肉量を落とさないことや適切な体重管理を実施することが理想です。
この痛み止めが肝になるのですが、高齢動物の場合、薬の副作用で痛み止めが使えない場合や継続使用することで肝臓や腎臓などのその他の臓器に悪影響がでることもしばしばです。

この悩みを解決してくれるお薬として「リブレラ」というお薬があります。

これは抗体医薬と言われるもので、正式にはイヌNGFモノクローナル製剤と言います。
作用機序としては関節炎において痛みを発生/増強させる物質である神経成長因子(NGF)を阻害する働きがあります。

このお薬の大きなメリットは

①腎臓や肝臓への負担が少なく副作用が少ない点

②月に一回の注射で約一か月間効果が持続することで長期管理にも最適

③ご自宅での投薬が不要

などが挙げられます。

この病気は完治させるものではなく、付き合っていきながら、いかに症状を緩和してあげれるかという所になるので、このお薬はピッタリ当てはまることになります。

まずは診断することが大事ですが、以前より歩き方がおかしかったり、立ち上がりがしんどそうであったり、ジャンプが出来なくなったなどの症状があれば、一度当院までご相談下さい。

リブレラについてはホームページ(気づこう!犬の関節の痛み|ゾエティス | Zoetis JP)により詳しく記載されていますので、ご参考にしてみてください!

獣医師 竹岡