猫の歴史①
その他
2025.10.26
約4,800〜6,500万年前に恐竜が絶滅した時代に熱帯・亜熱帯地域にて生息していた小型捕食動物である「ミアキス」が猫の祖先とされています。

ミアキスは猫だけでなく、犬やアシカなどを含む食肉目の祖先、あるいは祖先に近縁な動物とされます。
かつては食肉目ミアキス科とされていました。
しかし、これは多系統であるとして解体されており、現在では食肉形類に分類されることが多いです。体長は約30 ~50cmといわれています。
地上では捕食者として非常に高い地位にいたヒアエノドン科の肉食哺乳類が生活しており、ミアキスは樹上での生活を余儀なくされていました。
そのためミアキスはもともと森で生活しており、長いあいだ森から動くことはありませんでした。
常に単独で狩りを行い、待ち伏せしてやってきた獲物を鋭い爪で仕留めて捕食する、という「待ち伏せスタイル」をとっていました。
このとき、森から動かなかったミアキスが「猫」へと進化し、瞬発力や優れた聴覚、木登りのための器用な前足を手に入れたのです。
森では群れでいると獲物に見つかりやすくなってしまうので、単独で身を隠しながら狩りをしていました。
猫が獲物を狙う時に隠れたり一人でいることを好むのはこのような歴史的背景が関係しているのでしょう。
群れることなく自由に行動する様は、まさに現代の自由奔放な猫の姿ですね。
ちなみに、このとき平原に移り住んだミアキスが「犬」へと進化します。
森林の減少や乾燥によって、森を離れるものがでてきたところ、森を離れたミアキスは広大な平原へ移り住み、群れで協力して獲物を追い詰めるという「追い込み型」の狩りのスタイルに変わっていきました。
獲物を威嚇するための大きな鳴き声や、身を守れるような筋肉質な体と脚力を手に入れたのです。
また、獲物を追い詰めるためにはチームワークが必要になり、群れを統率する絶対的なリーダーが生まれました。
現代の犬が飼い主との主従関係を築けるのは、このときの名残であると考えられています。
今回のコラムは猫の歴史の中で最も古いミアキスからの進化についてお話しました。
次回はミアキスがその後どう進化していくのかについてお話したいと思います。
看護師・金