BONHEUR ANIMAL HOSPITAL

ご予約

総合診療科

2025.07.12

前回のコラムで犬の変形性関節症とリブレラというお薬のお話をしました。
猫ちゃんにもわんちゃんと同様、変形性関節症という病気があります。

変形性関節症(OA)による疼痛は、慢性疼痛の中でも最も多い疾患の1つです。
近年の報告では12歳以上で90%近くの猫ちゃんにOAが存在すると報告もありますが、診断率も低いと言われています。
その原因として症状が分かりづらいところがあります。

具体的な症状としては

運動量の低下、活動量の低下、ジャンプができなくなる、ためらう

・階段などの上り下りをためらう

・立ち上がりが辛そう、歩き方が変

・グルーミングの減少

・性格の変化

などが挙げられます。

高齢の場合は特に気づきづらくなります。

また、高齢の猫ちゃんは慢性腎不全(IRIS ステージ1および2)などの基礎疾患を有している場合、上記の症状を緩和するのが、薬の副作用の点から難しかった事があります。

ソレンシアというお薬はリブレラと同様抗体医薬で

  • 痛みに対する感度を抑える
  • 神経の機能と形態を元に戻す
  • 炎症メディエーターと疼痛因子の放出を抑える

という作用があります。

最大のメリットは

  • 腎臓や肝臓への負担が少なく副作用が少ない
  • 月に一回の注射で約一か月効果が持続し、投薬が不要
  • 長期使用が可能

という点があります。

まずは診断することからですが、猫ちゃんの痛みはわんちゃんの痛みよりも気づきにくい事も多いので、もし上記の悩みがございましたらご相談ください。

獣医師 竹岡