BONHEUR ANIMAL HOSPITAL

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総合診療科

2025.08.25

今回は犬アトピー性皮膚炎のお薬についてお話しします。犬アトピー性皮膚炎と診断された場合は治療として大まかに4つに分かれます。

  • 飲み薬(痒みを抑える、二次感染をコントロールする)
  • スキンケア(シャンプー、保湿液など)
  • 食事療法(低アレルギー食、皮膚のバリア機能を維持するための栄養素を含有した食事など)
  • サプリメント(当院では『FINAL ANSWER No1』というプレバイオティクスを推奨しています)

これらの治療の要は痒みをコントロールするための飲み薬になってきます。

最近は主にアポキル(オクラシチニブ)というお薬が使用されており、皮膚の状況や痒みの程度により、プレドニゾロン(ステロイド)やシクロスポリン、抗ヒスタミン薬などが使用されます。

アポキル(オクラシチニブ)のメリットは痒みを軽減する効果が強く即効性があり、従来まで使用されていたステロイドなどに比べて副作用が少なく長期使用しやすい点などがあります。

このお薬のおかげでたくさんの動物の痒みの悩みが緩和され、QOLが改善された子たちはたくさんいらっしゃると思います。

しかし、

  • 一日二回の投薬から減らせない子が一定数いる
  • アポキルの効果があまりでない子が一定数いる

などの悩みを抱える子がいます。

まずはアポキルが効かない理由や減らせない理由を考える必要がありますが、それでも効果が乏しい子もいます。

今回新しく発売されたゼンレリア(イルノシチニブ)というお薬があります。

このお薬はアポキルと同じ系統のお薬(JAK阻害薬)ですが、投薬が一日一回で良い点アポキルに反応のない子がこのお薬には効果がでたという報告が出てきています。
アポキルと同じ系統のお薬ではあるので、副作用は少ないとされていますが、まだまだ新しい薬なので副作用の面で不明点が多い事も事実です。
上記の悩みがある方はご相談ください。定期的な血液検査などしっかり経過を追って診させていただきます。

獣医師 竹岡