犬のがんに対する血液検査について
腫瘍科
2025.06.15

今回は犬の腫瘍マーカーについて少しお話ししようと思います。
腫瘍マーカーとは血液検査などでがんが作る特有の物質を測定することで、体の中にがんが存在しないかを調べる検査です。これはあくまで補助検査なのでこれに引っ掛かれば必ずしも体にがんがあるという訳ではなく、他の検査と合わせて総合的に判断します。動物病院でもこのような検査はないですかという質問に対して今までは動物ではまだそのような検査はございませんとお伝えしていました。
しかし、犬で『Nu.Q® Vet Cancer Test』 (犬のがんに対する血液検査)が始まりました。
これは以下の図のように、がんが発生して浸潤する前に検出することを目的としています。

がんの種類によって検出感度は異なりますが、リンパ腫や血管肉腫などの全身性の腫瘍で検出されやすいので、非常に有用であると思われます。検査の方法は院内での採血のみです。(ただし4時間以上の絶食が必要です)
まだ始まったばかりの検査ではありますが、ご興味のある方はぜひ当院までご相談いただければと思います。
獣医師 竹岡